「サイヤ人脳」

人気漫画ドラゴンボールでは
主人公の孫悟空やライバルのベジータなどサイヤ人は
「瀕死の淵から復活すると戦闘能力が大幅に上がる」

という戦闘民族特有の特殊能力を持っている。

まぁこの設定は超サイヤ人が出てくる前の序盤だけだったが・・・

人は苦労した分だけ強くなる。
だから苦痛を与える事は良い教育なんだ。

こういう行き過ぎた考え方を持ってる人を僕は
「サイヤ人脳」

と呼んでいる。

一つ例を紹介しよう。

僕の元勤めていた会社の話だが
ある女性社員が強烈なパワハラを受けていた。

仕事の出来が悪いという事でパワハラを受けていた訳だが
この女性社員は10年近く、事務系の部署で仕事をしていた所
会社の都合で部署が解体され、急に技術系の部署に異動になってしまった。

その女性社員が異動してきた部署というのが
僕が当時所属していた部署だ。

僕は実務で大して関わり合いが無かったし、
自分自身仕事は出来ない人間だったので、
客観的な評価は良く解らない。

しかしそれにしても、聞いていて
凄まじい理不尽なパワハラだった。

「10年近い中堅社員なのにこんな事も知らないのか!」
というような典型的な叱責から始まり

驚くべき事に
1日6時間も教育指導という名の
叱責を受け続けていたのを見た事もある。

ちなみに基本8時間労働でだ。

おまけに僕は直接聞いた訳ではないが
「これだから女は・・・」
というような女性蔑視的な発言も受けていたと聞いている。

会社にそれなりに長く勤めていたと言っても
畑の違う部署から異動してきた人間に
この対応は正直、常軌を逸していると思う。

ちなみにこの女性社員はほどなく
体調を崩す

休職する

数ヵ月して復帰するが職場状況は改善しない

退職

というテンプレのオチが付いてる。

昨今は王道系の作品だってもう少し
ひねったオチを用意しているのに、
日本の労働問題はまだまだテンプレが許されているらしい。

当時は、
「まぁ僕も馬鹿だから良く解らんだけで、あれは正しい事なのかも・・・」

とか思っていたし
今も継続して僕が馬鹿だという事は確かだが

僕のような馬鹿が考えても
1日の業務時間の大半を使い、社員を叱責してる部署の
業務が合理性でない事は明らかなのに
何故、頭の良い連中がそんな事をしているのか全く理解出来なかった。

最近やっと解ってきたのはこういう人達は
「サイヤ人脳」

だという事だろう。

人間というのは徹底的に追い込んでいけば
必ずそれを乗り越えて強くなる事が出来る。

と信じて疑っていないのだ。

もういっその事
惑星ベジータにでも移住して頂きたい。
重力10倍だから
さぞ鍛えられて自分自身強くなれるのではないだろうか。

しかし冷静に考えた方が良い。

この現実世界にはドラゴンボールの世界と違って
仙豆は無いし、
すぐに完全回復させる能力を持ったデンデのような存在もいない。

しかも大半の人間は
孫悟空やベジータのように強靭な精神力も向上心も無い。

物語の主人公やその周りに登場出来るような人物では無いのだ。

このサイヤ人脳の人達は
まさか現実の人間も
宿屋に泊まったらHPが全回復するとでも思ってるのだろうか?

現実の人間は脆弱なので
心身共に疲弊した状態からベホマをかけても全回復しない。
そもそもベホマが無いけど。

こういうサイヤ人脳の人達は一定数いるので
残念ながら今後も会社でのパワハラや過労死、うつ病などの問題は
継続的に発生し続ける。

そんな環境から抜け出す為には
全力で逃げるしかないという事になってしまうのだろう。