1章ごとに記事化していきます。
ドーモ。皆=サン。たんぶらぁです。
今回はライズオブローニンで
描かれている幕末の歴史に
ついて紹介します。
本作は1つの歴史ゲームとして
見ても素晴らしい大作ですので
是非、本作のようなゲームをきっかけに
日本の歴史について興味を持つ方が
増えたら良いなと思います。
※歴史の評価・解釈部分は
僕個人の考えが含まれます。
幕末期の出来事や人物を
どう評価していくかは
皆さんでも考えてみて下さい。
こんな方におすすめ
- ゲームに関連した日本の文化・伝統・歴史に興味がある方
https://tannbura.com/%e3%80%90rise-of-the-ronin%ef%bc%88%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%82%ba%e3%82%aa%e3%83%96%e3%82%b6%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%8b%e3%83%b3%ef%bc%89%e3%80%91%e8%a8%98%e4%ba%8b%e3%81%be%e3%81%a8%e3%82%81/
ライズオブローニンで描かれる時代
本作は
黒船来航(ペリー来航)
↓
江戸城無血開城
までの時代を描いたお話になっています。
そこでゲーム同様に
黒船来航→江戸城無血開城までの
歴史を紹介したいと思います。
1章ごとに記事化していきます。
幕末の歴史(薩長同盟締結~江戸無血開城)
前回の2章の歴史の記事で
禁門の変(蛤御門の変)
までの時点では
長州藩と薩摩藩は全く
相容れない存在だった
という事をご紹介しました。
ここから先はそんな2つの藩が
どのようにして同盟を結び、
倒幕への流れが加速していくのか?
という事から紹介して
いきたいと思います。
吉田松陰の門下生が多い影響から
尊王攘夷派の志士が多く、
いち早く攘夷運動を起こした
長州藩でしたがここから先は
薩摩藩も攘夷を明確にしていきます。
きっかけは生麦事件でした。
神奈川県の生麦村で
大名行列を乱したイギリス人を
薩摩藩士が殺傷した事件です。
イギリスは幕府と薩摩藩に
犯人の引き渡しと賠償を求めます。
幕府は賠償の要求に応じますが、
薩摩藩はこれを拒否。
これがきっかけでイギリス艦隊が
鹿児島湾を攻撃する
薩英戦争
へと発展してしまいます。
この戦いで薩摩藩は大きな被害を受け、
巨大な力を持つ外国と戦うのは
無理ゲーだという事を理解しました。
長州藩も同様です。
そう、対立していた2つの藩を
結びつけたものは奇しくも
「外国と戦い、手痛い敗北をした」
という共通体験でした。
これにより長州藩、薩摩藩は共に
攘夷を一転させ
「外国と仲良くして外国から
武器を購入して幕府を倒そう!」
という考え方に変わっていきます。
両藩は先進的な考え方の藩士が
上層部に変わって藩政を手動。
薩摩藩は
西郷隆盛
大久保利通
長州藩は
木戸孝允(桂小五郎)
高杉晋作
本作にも登場する
有名な幕末の志士らが主導して
西洋式の軍備を整えようとします。
そんな両藩に接近したのがイギリスです。
この辺も利があれば、コロっと
対応を変える西洋人らしいですが(汗)
薩長の両藩が新しい貿易相手になると
見るやイギリスは薩摩と戦争した過去も
横に置いて薩長の両藩に武器を輸出します。
こうして薩長の両藩はイギリス式の
武器を手に入れて軍備が
拡張されていきました。
一方で幕府にも実は外国の支援が入ります。
イギリスとライバル関係だった
フランスが幕府に接近して
軍事・財政の支援を行いました。
このような状況で日本の危機をいち早く
察知した男たちがいました。
それが土佐藩出身の
坂本龍馬
中岡慎太郎
です。
幕府にはフランス、
薩摩長州にはイギリスと
外国勢力の介入が強まり日本は
外国の代理戦争の状況になっていました。
日本が植民地化される危険性、
そして薩摩・長州の意見には
共通点もある事を感じていた
土佐藩出身の2人は薩摩・長州の
両藩に仲裁を行いました。
薩摩の西郷隆盛と大久保利通、
長州の桂小五郎を説得したのは
本作でも描かれている通りです。
この結果、薩長同盟が締結して
倒幕が本格的に加速していきます。
さらに詳しく
現代では非常に有名な幕末の志士である坂本龍馬ですが、実際に彼がどの程度の影響を及ぼした人物だったのか?という事は実は不明確です。坂本龍馬が有名になったのは後世の小説作品の影響と言われており、史実として重要な役割を果たした人物だったという評価には懐疑的な意見もあります。なお中岡慎太郎は普通に重要人物だったと思われます。
ココがポイント
討幕派として関わってくる最後の土佐藩ですが、土佐藩は元々は藩として倒幕に協力していた訳ではありません。龍馬や慎太郎はあくまでも「脱藩した藩士」です。最初は好き勝手している龍馬らを嫌っていましたが、後にバックアップした方が国の為になると考えて龍馬らを支援します。その人物が後に自由民権運動を行う板垣退助や後藤象二郎です。
さて、この事態に
ビックリ仰天したのは幕府です。
犬猿の仲だった2つの藩が
いきなり同盟を結んでしまったので
当時の人々はとても驚きました。
長州は先の禁門の変により、
幕府から長州征伐を受けていましたが
薩摩が支援に回った事で
第2次長州征伐に敗北します。
これにより幕府の権威は
さらに低下する事になりました。
第2次長州征伐の最中に
14代将軍の家茂が亡くなります。
そして遂に15代将軍にして
徳川最後の将軍
徳川慶喜
が新たな将軍に就任します。
(同じ頃、孝明天皇も亡くなって
明治天皇が即位します。)
同盟が成立した薩摩・長州は武力で
幕府を倒そうとする
動きを見せていました。
ここで幕府はウルトラCの
奇策に打って出ます。
それが
大政奉還
です。
何故、大政奉還やその後に起こる
王政復古の大号令が出来たのか?
については日本の非常に特殊な国体が
密接に関連してきます。
日本史だけ見てるとサラッと流してしまう
歴史のイベントですが、これは本当に
世界でも類を見ない特殊な事例です。
詳しく紹介したい所ですが、
掘り下げると長くなり過ぎるので
ここは別記事で改めて
詳しく紹介したいと思います。
大政奉還は土佐藩の前藩主、
山内豊信(容堂)が徳川慶喜に
働きかけて行われたと言われます。
薩長に倒される前に将軍が
先手を打って天皇に政権を返上すれば
薩長には幕府と戦う理由が無くなります。
将軍が政権を返上しても、長く政治の
実権から離れていた朝廷だけでは
政治を行う事は出来ません。
よって徳川家の大名たちは同じように
リーダーシップを取る事が
出来るという構想です。
こうして大政奉還は朝廷に提出されまして、
実に260年に及んだ徳川幕府による
統治がここで終わりを告げました。
この幕府(徳川慶喜)のウルトラC
に対して苦悩したのは薩長です。
当時の倒幕の志士たちは本当に
頭を抱えた事でしょう。(笑)
本作でもしっかり描かれている通り、
徳川慶喜という人物は下手すれば
初代家康の再来と言えるほど
才気溢れる人物でした。
将軍としてのカリスマを持ちながら
知恵に溢れ、それでいて考え方は
先進的で視野も広い人物です。
徳川方がポンコツであればともかく、
慶喜が政権に入ってきたのでは
また旧幕府側に実権を
握られてしまう事も容易に想像されます。
そこで新政府の西郷隆盛と
公家の岩倉具視によって
王政復古の大号令が発令されます。
これによって改めて天皇を中心にした
新政府の樹立が宣言されて、
徳川慶喜は新政府から
追い出される形となりました。
ココがポイント
様々な勢力の思惑が入り乱れた結果ではありますが、このような大政奉還や王政復古の大号令によって日本はギリギリの所で大きな内戦を免れました。この後の江戸無血開城も同様ですが、被害を最小限に抑えられたので欧米諸国に対峙する力を残す事が出来たと言えます。
そして幕末の最後の
グランドフィナーレに続きます。
新選組をはじめとする
武士の中には新政府の対応に
納得出来ない者たちがいました。
こうした旧幕府軍の武士と
薩長土を中心とする新政府軍で
戦いが起こってしまいます。
この最初の戦いが京都で起きた
鳥羽・伏見の戦い
(とば・ふしみのたたかい)
です。
この戦いでは外国の新兵器を
所有する新政府軍が圧勝します。
※新選組については3章で描かれる
様々な事件や戊辰戦争でも活躍しますが
教科書では登場しない部類の有名人なので
本記事ではあえて記載していません。
また別途、新選組についてのみ
ピックアップした記事で紹介します。
鳥羽・伏見の戦いを見た徳川慶喜は
このまま新政府軍と戦っても
被害が大きくなるだけだと悟り、
新政府軍の江戸攻撃に際して
恭順を示して戦いを避ける道を模索します。
本作にも登場する
勝海舟
山岡鉄舟
篤姫
などなど数多くの人物が
江戸を火の海にしないよう説得に奔走。
遂に幕府側の勝海舟と
新政府側の西郷隆盛の会談によって
江戸無血開城
が実現しました。
本作ライズオブローニンはここで
終了となりますが旧幕府軍はこの後、
東北へ追いやられていきます。
白虎隊で有名な会津の戦いを経て、
最後は函館の五稜郭の戦いで
旧幕府軍は降伏。
これを持って本当の意味で
江戸時代は幕を下ろしたと言えます。
これらの一連の戦争をまとめて
戊辰戦争(ぼしんせんそう)
と言います。
ココがポイント
正式な歴史としては1867年の大政奉還をもって江戸時代は終わりです。それ以降は明治時代となります。約260年続いた江戸時代は人類の中世時代の歴史の中では大変に平和な時代でした。結局は家康が取り入れた朱子学が倒幕の志士を生み、権力から遠ざけられていた外様大名が倒幕を成し遂げました。家康が造営した二条城で慶喜が大政奉還を宣言したのもドラマティックですね。鎖国によって技術革新が遅れた日本でしたが、だからこそ江戸時代には日本独自の文化が発展したとも言えます。そして立場は違っても多くの日本人が国の将来を考えて動いたことが、結果的に欧米列強の植民地支配の時代の中で日本の独立を保つ鍵になったと言えます。こうしてしっかりと時系列を追うと中世の時代に主にヨーロッパで起きた市民革命の歴史とはかなり違う事がわかりますよね?日本人でも多くの人がよく知らないであろう幕末の歴史について本作をきっかけに知ってもらえる方が増えたら本当に嬉しい事です。
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