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10年で限界を迎え会社を辞めた男のその後の物語

正直言うと、あんまり書きたくなかったんだけど。

初めに

ご承知の方もいるかもしれないが
僕は今年の3月末(2018年3月末)で会社を退職した。

10年のサラリーマン生活に心身共に限界を迎え、
仕事を辞めた訳だが、
今回はその後の物語をご紹介したいと思う。

正直言うと、これはまだ書きたくなかった。

何故ならば、その後
別に世間から祝福されるような何か進展があったとか
そういう事が一切無く、
むしろ全く先の見えない無職状態が続いているからだ。

僕はブログやSNS、動画サイトでのラジオなど
様々な媒体で共通して

「とにかく嫌な仕事は早く辞めるべき」
「自分のやりたい事を優先する生き方をした方が良い」

という意見を発信してきた。

しかし、会社を辞めた後の現状の僕の状態を
明らかにしてしまうと

「やっぱり能力や経験に自信が無い自分が、仕事辞めても良い未来が無いんじゃ・・・」

というような仕事を辞める事による悪い印象を
読者の方に思わせてしまうかもしれない。

これがもし
「会社を辞めた僕が投資で成功して無職だけど年収~万」
とか
「サラリーマンを辞めた僕がフリーで大成功」

みたいな絵に描いたような花道ストーリーがあれば
その実績をバックに

「嫌な会社なんで皆どんどん辞めたらいいよ」

というような事を自信満々にお話しする事が出来るのだが
残念ながら僕はそういう話は出来そうもない。

書店にはそういう一部の成功者の書籍が出ているので
「脱サラした俺の成功談」
みたいな成功ノウハウが知りたい方は
そういう書籍を買って読んでみたらいいんじゃないかと思う。

僕はそういう話は出来ない。

だけど折角これまでも
会社を辞めるまでの経緯、
そして会社を辞めた事、
このブログで書き綴ってきた。

包み隠さず、その後の経過についても
お話ししたいと思う。

会社を辞めたいな・・・と思っている方がいれば
一つのケースとして見て頂けたらと思う。

最初に間違いの無いようにハッキリ言っておくけど

僕は会社を辞めた選択については
今も全く後悔していない。

というか・・・あのまま続けていたら
本当に自分がどうなっていたのか解らない。

遅すぎたという反省はあるが
今でも辞めて良かったと思っている。

もしかしたら
今後もずっとまっとうな仕事(世間的に見た)に
返り咲く事は出来ないかもしれない。

理由は後々記載するが
まだ何年も無職が続く可能性がある事を
現実として覚悟しなくてはいけない事も解ってきた。

それでも、
会社を辞める選択をした事を
後から後悔する事は無いだろう。

退職後の処理に追われた4月

全くと言っていいほど有休消化をする事が出来ず
最終日直前まで普通に仕事をしていた。

これも今思えば本当に反省すべき点が多い。

会社ともう少し戦ってでも
何とかすべきだったのだが、当時の僕には
その勇気もエネルギーも残っていなかった。

本当は退職して直ぐにでも
体調が優れない体を休めたかったのだが
4月は退職後の処理に追われる事になった。

もし仕事を辞めて
再就職までしばらく間が出来そうな人は
・健康保険
・年金

最低でもこの2つは変える手続きをする必要がある。

一般的な会社のサラリーマンであれば
健康保険は社会保険(社保)
年金は厚生年金
に入っていると思う。

無職になると
健康保険は国民健康保険(国保)
年金は国民年金
に切り替えをしないといけない為、
市役所などで手続きを行う必要が出てくる。

退職すると会社から
離職票を貰えるはずなので(まっとうな会社なら)
離職票を持っていけば簡単に手続きをしてくれる。

離職票は他にも
再就職先を探す際にハローワークに登録したり
暫く再就職出来ない期間があれば
失業手当を受け取る際の証明として必要になってくるので
必ず退職する会社から受け取る必要がある。

ちなみに失業手当については
僕は貰っていない。

金額は在職期間や退職理由によって条件が異なってくるのだが
そもそも誰でも貰えるという訳では無く
受給資格として

働く事が出来る状態にあり、働く意思があり求職活動しているんだけど
求職出来ない状態にある人

に限られるというのが日本の制度な為、
僕はこれに該当しなかった訳だ。

まぁ別に不当な制度では無いとは思う。
要するに「働きたくて求職活動もしてるんだけど職が見つからない人」
というのに限られる。
病気や介護などやむを得ない求職活動できない理由があると
受給出来る期間延長とかは出来た気はするが・・・

僕は、とにかく暫く何も考えたくない。
休みたい。

という事で求職活動はそもそもこの時点ではしておらず
要件には該当していないという事だ。

他にも賃貸契約や運転免許証、その他の任意保険など
職場の届け出が必要な契約がある人は
全て職場が変わりました、
無職になりました、
という連絡をしないといけない。

会社を辞めると結構、やる事があるのだ。

会社と揉めても、どうせその人達と
その後の人生で一生関わる事は無いのだから
有休消化したり、何なら次の準備の為に休職でもして
会社に在籍している間に辞めた後の処理を
ある程度進めておく事を僕はオススメする。

その位の小ズルさ、したたかさは必要だ。

精神科の病院と聞くと尻込みする人もいるかもしれないが
その手の病院に行って、うつ病などの精神病を訴えれば
病院は大体診断書を出してくれる。

労働基準法を守ってる会社なら
多分診断書出せば、半年ぐらいは休職貰えるんじゃないかと思う。

キャリアアップで次の転職先が決まっているなら良いが
そうで無い場合には
多少ズルくてもやれる事はやっておかないと
その後の自分の人生は大変な事になる。

特に能力や経験に不安がある人ほど
次の再出発も容易では無いと思われるので
会社を辞めるまでに出来る事をしておいた方が良い。

・・・でないと僕みたいな事になるかもしれない。

ひたすら寝続けた5月

一通りの退職後の処理を終えて
ついでに会社にいた頃使っていた物、
来ていた衣服(僕の会社は私服と制服の併用だった)

全て見るのも嫌だったので処分した。

今後のライフスタイルが
無職ベースに縮小するだろうと思った。

そこで
サラリーマン時代に溜まっていた大掃除も兼ねて
断捨離を行った。

一人暮らしの部屋一つに
パソコン
スマホ
ゲーム機
テレビ(ゲームする為だけで一切テレビ番組は見ない)
そして最低限の生活用品

これだけが残った。

30代にもなって、何ともいえない気分になった。

余談だが家や学校で
僕も当然のように
古き良き日本の家庭の幸せ
みたいな物を良しとするような教育を受けてきたから

30代にもなったら、当然定職を見つけていて、
良い人を見つけて結婚して、
ローンで家を買って、
社会的な地位、財産、生活持続力を確保する

ような事を一般的な人は築いていくんだろうなぁ
とは思っていた。

まぁ自分にはそれは無い、つーか無理だろというのは
既に小学生ぐらいの頃から思ってはいたものの

目の前にほとんど何も物が無い一部屋と
無職という現実を目の前にして
何も思わなかったと言えば嘘になる。

自虐史観の塊だった学生時代の自分の予想に対して
その斜め下をいく事になるとは
流石に思わなかったが、
まだまだ甘すぎたという事なんだろう。

ようやく身の周りを整理する事が出来たので
5月はひたすら寝続けて、休み続けた。

何かしら体調不良の原因に精神的な部分もあるかもしれないから
病院に行った方が良いんだろうな・・・
とは思ったが、一歩も外に出たくないし
誰とも会いたくなければ
誰とも話したくない。

という心境だったので、自分の気持ちを優先して
病院には行かず、
何にも行動せず、
ただただひたすら休み続けた。

これは正直、オススメ出来ない。
体調が悪い時は素直に病院に行った方が良い。

自分の好きな事ぐらいからリハビリしようと思い始めた6~8月

1ヵ月寝続けた事で
ようやくほんの少しだか、回復してきた。

ただ相変わらず、
サラリーマン時代の苦い経験が強烈なトラウマになっており
再就職先を探す気になれない。

この辺から少しポジティブに思考を切り替えた。

折角、毎日灰色だった嫌でつまらない会社を辞めたんだ。
自分はそれでも10年働いたんだし
暫く自分の好きな事だけやろうかな。

そんな風に思うようになった。

ホコリをかぶっていたゲーム機やパソコンを掃除して
また好きにゲームをやるようになった。

程なく、
元々やっていたブログや動画サイトでの
発信も再開するようになった。

そういえばサラリーマン時代に
帰ってきてから夜通し
ブログ記事書いたり、動画編集していたなぁ・・・
なんて懐かしい記憶が思い出された。

おかげで寝不足で会社に行く事になって
ただでさえ出来の悪い仕事の能率がより下がって
叱責を受け続けていた訳だが・・・

サラリーマン時代と違い
出社時刻も就寝時間を気にせず
時間を忘れて、没頭し続けた。

1ヵ月が経ち、
2ヵ月が経ち、
不思議な事にいつの間にか
体調は完全に回復していた。

1ヵ月ずーっと休み続けた5月でも
少し体調が良くなった程度で

「もしかしたら年単位で微妙な不調が続くんじゃないか」
と危惧していたが何の事は無い。

アッサリと良くなった。

丸1年ほど体調不良に悩んでいたのに
何だったんだ?という位アッサリ回復した。

今後の事を考えて、少しだけ就活してみた9月

体調が良くなったので
もう少し今後の事を考えるようになった。

確かに今は楽しい。

人生の中でこんなに充実していた、
幸せだったなという記憶を探すには
学生時代まで遡る必要がある。

とはいえ収入が全く無いのは事実。

持続可能な生活とは言えない為
あまり深く考えずに就活を少しだけしてみた。

結果として分かった事は
「僕はもう正社員に戻る事は無理そうだ。」

という事だった。

勤めていた業種が嫌だった訳で
再就職するなら違う業種になる。

・キャリア0
・学歴無し
・資格無し

となってしまう。
一応、前職はホワイトカラー系の職場だったので
一度も現場労働を経験した事が無いというのも
逆に致命的だった。

いくら単純作業のような仕事でも
全く未経験の中途を正社員として採用するメリットは
会社側には全く無いだろう。
おまけに年齢も30代になってしまっている。

僕が経営者でもこんな中途はいらない。
新卒を取るだろう。

なるほど、
新卒という人生でたった一度の権利カードを捨てた今
年相応に会社で評価されるような
経歴、能力をほぼ何も持ち合わせていない事は間違い無い。

そもそももう嫌だなぁと思っていたが
僕の好む好まざるに関わらず
真っ当に正社員として復帰する道など最初から無い事が解ってきた。

終わりに

今後についてはまだ未定な部分が多いけれど
もう少し腹は括らないといけないという事は解った。

自分がまさかそういう道を行く事になるとは
思ってもいなかったが
もう少しアウトローな生き方をしていくしか道は無さそうだ。

恐らくバイトぐらいは働き口があると思われるので
一生フリーターを覚悟して生きるという道もある。

ただ、現在行き過ぎた人手不足により
特にバイトの働き先に多い飲食店・コンビニなどは
ワンオペは当たり前。

相当な重労働・長時間勤務の職場になってしまっており
バイト始めるとまた
ブログや動画投稿などやっていく時間・気力が残らなくなる
サラリーマン時代の末期を繰り返すことになる可能性が高い。

事実、バイトの見学・面接を少しだけしてみたのだが
「とにかく人が足りない」
「全シフトに入って欲しい」
「何でもやって欲しい」

というような感じだった。

有効求人倍率が高く、売り手市場なのは大変結構な事だが
僕のような働き方をしたい人との
需要と供給はあまりマッチしていないようだ。

・・・とまぁ前途多難だが
不思議とポジティブに考える事が出来ている。

どうせもう、失う世間体もプライドも無い。
「なるようになるさ」と思っている。

在宅ワークなど僕のライフスタイルでも
上手く出来る仕事が無いか探してみようかとも思っているが

ひょっとしたらまだ年単位で無職が続くかもしれないし
将来どうなるかわからない。

でも僕は今楽しいし、幸せだ。
少なくともサラリーマン時代とは比べ物にならない。

毎日のように胃液が逆流してくるような環境の中で
押し潰される圧迫感も無い。

所詮ダメ人間の生き方かもしれないが

「誰に何を思われてもいいや」
と思えれば、案外気楽なものだ。

会社を辞めた僕が約半年経って
収入ゼロで無職のままというのは

どうしても仕事を辞める事を躊躇させてしまうような
ケースなのかなと思うので
あんまり書きたくは無かった。

確かに日本の雇用形態は
新卒一括採用
年功序列
終身雇用

に代表されるメンバーシップ型と呼ばれる雇用形態で
新卒正社員というカードが非常に強い分、

一度そのはしごから外れた人間は再チャレンジが難しく
欧米のように人材の流動性が薄いのが正直な所だと思う。

言うまでも無くだが、能力が低い人は特に大変だ。

自業自得ではあるが、僕のように
使えないが新卒正社員という事で10年間会社からクビを切られず、
本人は苦痛に感じていたとはいえ、
世間的に見ればフリーライドしてきたとも言えるような人材は
極めて正社員としての復帰は難しいと思う。

それこそリカレント教育で学校に入り直して
学歴か資格を取り直さないといけないかもしれない。

だから僕は
「辞めた人が皆また同じように正社員に戻れる」
とは思わない。

難しい人もいるだろう。

それでも人生の中で何を重要視するかは
良く考えてみて欲しい。

何かを選択すれば、何かを捨てる。

このトレードオフさえしっかり出来れば
アウトローでも生きていく方法はあると思う。

僕は世間体とか一般的な幸せな家庭像とか
いろんなものを捨ててでも
「自分が遊ぶ時間を最大限尊重する」
ようなライフスタイルを大人になった今でも
諦めずに探していきたいと思う。

折角仕事を辞めたのだ。
普通のサラリーマンが出来ないような生き方を
模索していくのも面白い。

僕の状況は周りから見ると
多分何一つ好転はしてないだろうけど
自分の意思でしっかり決めて、
そして今ココを最大限楽しんで生きる。

後は周りをあんまり気にしない事。

これだけで人生結構楽しく
生きられるもんだなと思った。

わかりやすく会社を辞めたい人に
夢を与えるような事を書く事が出来ず
申し訳無いが、
会社を辞めた人間の物語の一つとして
参考にしていただければ幸いだ。

  • B!